モデル: グァルネリ1741の表板が仕上がりまで95%ほどの位置につきました。
アーチの高さは15.5mmで高くはありませんが低くもない、ほどほどの高さです。板の厚みは、最も厚い部分: 中央部の3.0mmで最も薄い部分: アッパー・バウツのE線側の淵で1.9mmです。
表板と裏板が仕上がり、それぞれを横板に接着してサウンド・ボックスになってからパーフリングの象嵌を行うつもりでした。というのも、表板のアーチが仕上りかけた頃、エッジを含む淵もほぼ完成させたくなったのでアーチ作りの半ば頃に思い立ったように入れることにしました。エッジ付近の厚さを完全に把握しておきたかったので。

パーフリングをどの時点で入れるかは手法が関係しているのですが、今は前半に入れておく方法が好みです。入れるタイミングはそれぞれにメリットとデメリットがあるわけですが、一番最初に教わった方法がしっくりするのは私だけでしょうか。それぞれの手法を自在に操ることができるようになりたいものです。ストラディバリ、グァルネリを始めとする多くの巨匠は最後に入れています。サウンド・ボックスにしてから、そしておそらくネックを接着してから最後の仕上げにパーフリングを入れたのでしょう。
表板のアーチが仕上がってから裏側を削り込み、板の厚みを整えます。
板が振動できる薄さを目指しつつ、強度のある適度な厚みを保つように削るので時間と神経を消耗しますが、とても面白い行程です。木材の年輪や含水量、重さなど関係する要素は数多くあるのですが、判断の連続でとてもエキサイティングです。
