グァルネリ・デル・ジェス1741/スクロール – 1

カレンダーをめくりながら、もう12月になっているのかと、時の流れの速さに驚いています。歳を重ねるごとに1年の過ぎゆくスピードが増している気がしますが、情報化により、時の流れを早く感じるという研究結果もあるようです。

時間は公平なので、できることは次々にこなして行きたいものです。

 

スクロールを切り出して、プロファイルを整えたので、ペグ穴を開けます。ボール盤を使っているので、垂直は完璧なはずですが何が起こるかわかりません。念のために左右から穴を開けて中心で鉢合わせするように開けて行きます。少し手間がかかりますが、「常にベストを尽くす」がモットーです。

 

 

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工夫次第で色々な用途をこなせるボール盤は不可欠です

 

左右から開け終わりました。セッティングに時間はかかりますが、穿孔自体はすぐに終えてしまいます。。

 

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切り出し線も罫書きます。

 

 

 

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合って然るべきものですが、それでも不安になってしまいます。

 

小さな光が通っているので開けた穴がちょうど中心で合流していることがわかります。光の大きさからドリルの先端部分が合わさっていることがわかり、気持ちの良い瞬間です。

 

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少し余裕を残しながら切ります。

 

穴が開くと、スクロールを切り出します。彫刻のようなスクロールを切り出して作るということを知った時は、ちょっとした衝撃でした。イメージでは木槌とノミで彫ってゆくというものだったのですが、ノコギリで切ることは斬新でした。

 

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時間はかかっても、一つひとつの工程は大切に。

 

少し切ってはスロープを整え、そしてまた少し切ってということを中心部まで繰り返します。説明できないから自分の目で確かめながら進めるようにと言われた時は途方に暮れましたが、今では「全くその通りだ」と思ってしまいます。

 

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ヴァイオリンらしくなってまいりました。

 

スロープを整えながら、アウトラインも整えつつ大まかな形が出来上がりました。これからペグボックスを掘ってゆくので目印の線をつけながら、心の準備もします。

 

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気楽にゆっくりとできる作業です

 

ノミで掘りますが、内側の壁の仕上がりにも気をつけながら進めると結構な時間が過ぎてしまいます。

 

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樹皮が。。。

ペグボックスも仕上がり、あとはスクロールの彫り込みを残すのみです。うずまき部分の正面、向かって左側に樹皮の巻き込みがあります。木取りの際に避けたかったのですが年輪を考えるとベストポジションにこの入皮がぶつかりました。浅いものだったので年輪を優先させましたが、やはり残ってしまっています。。この後の彫り込みでどこまで消すことができるかは祈るのみです。

 

時間があるときにネック・スクロールの作りだめをしようと考えたりもしますが、理想は次第に固まってゆくものなので、その都度、作るようにしています。

 

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