弓毛と湿度 〜毛替え〜

雪景色を堪能しながら、ヴァイオリンのネック材の準備(主に鉋掛け、体が温まります)をしながら、湿度について考えていました。

湿度のコントロール
楽器への湿度の管理は、なかなか思うようにいきませんので、できる範囲となりますし、自然が相手なのでコントロールすることはとても難しいものです。また楽器といえば、弓も楽器です。ケース内では一定に保つことができても、演奏時はケース外なので極端な変化も好ましくはありません。
弓への湿度の影響とは?どういったものでしょう。

毛替えのタイミング
弓のフロッグ付近から毛がだんだんとほころび始め、切れて毛が少なくなってゆくものの、お仕事やその後の練習、演奏などが続くと毛替えの時間が取れないというのはよくあることではないでしょうか。

弓の毛は湿度を含んでおり、古くなると摩擦力が減少してきます。また湿度が低くなるに従って毛は縮みます。
関東(主に埼玉)でのおおよその湿度変化は11月ごろが50%台で8月から9月にかけては85%近くまでなります。ちょうどこれからの季節が弓毛にとっては辛い季節です。
また弓毛が少なくなっている状態で演奏を続けることは残りの毛に負担が掛かることにもなり、スティックにも影響を及ぼすことも考えられます。

チェックリスト
●松ヤニを付けなければならない頻度が増えてきたと感じたときは弓毛の摩擦力が減少していることを示しています。
●弓毛の切れる率が高くなってくるようであれば、毛がなくなってスティックで弾かなければならなくなる前に毛替えを放置しないほうが良いです。
●弓毛が縮んでいる状態(より北部は縮まりがちです)では弓毛を完全に緩めることが出来なくなることも。スティックの弓先に負担が掛かることになります。
●毛にテンションを掛けるときにスクリューを回す回数が増えたと感じるときは弓毛が伸びている可能性もあります。その場合、フロッグ内のウェッジ(楔、フロッグに毛を噛ませる木片)が乾燥の影響で緩んでいる可能性もあります。

毛替えについてはこちらもご参照ください

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