ヴィブラートについての10の引用句

ヴィブラートはヴァイオリンの音色をとても味わい深い奥行きと豊かさを感じさせてくれますね。ですがとても難しい一面も。。。

イギリスの弦楽雑誌 “The Strad” からヴィブラートについて過去の記事を集成したものがありましたのでご紹介を。

1 ヴィブラートは常用される
「ヴィブラートは自然にしている事で、むしろ、していない時を考えることができない。どのような文化であっても擦弦楽器がある文化ではそうだといえる。」
Simon Fischer: The Strad, June 2008

 

2 素敵な音色はヴィブラートの前に在るべき
「ヴィブラートを掛ける前にしっかりとしたトーンを創り上げておかなければならない重要な理由の1つは、音色を美しくするためであり、ヴィブラートの幅と弦の振幅を一致させるのです。小さな幅の狭いヴィブラートは弦の振幅が同じように狭く柔らかいトーンの時に愛らしく聴こえます。しかしながら同じ狭さのヴィブラートを振幅の大きな大きな音量が生まれている時に掛けるとガリガリしたりキーキーとしたものになってしまいます。
同様に、柔らかいトーンで幅のあるヴィブラートを掛けると少し間の抜けた印象になり皆を遠ざけてしまうことになります。」
Phyllis Young: The Strad, September 1999

 

3 ヴィブラートはとても芸術価値の高いものである
感情の抑えられ、シンプルな、クリアで威厳のある小学生の音の一定さとは対照的にヴィブラートのフォームはとても重要で、音色をより印象的にそしてシリアスなものとするには不可避なのです。
音質を発展させるため、また音の力を引き出し継続させる為という点からも大いなる芸術的価値があるのです。」
Emil Krall: The Strad, May 1912

 

4 ヴィブラートには3種類ある
「身体のどこを使うかによってヴィブラートは3つに分けられます: ヴィブラートを掛ける時の腕、手(或いは手首)そして指ですね。Szeryngは”パーフェクトなヴィブラートは指、手首、そして前腕のコンビネーションである”とも話しています。」
Rok Klop: The Strad, June 2003

 

5 ヴィブラートは常に味わいあるものであるべき
「私には、音楽的にも審美的にも、現代の常であるストレートな音から始まり次第に中程から揺れるということである。
最初はチェリストから流行りだしてヴィオリストそしてヴィオリストに広がったように感じる。
Tully Potter: The Strad, October 2009

 

6 ヴィブラートを意識する際には他の楽器を模倣する
「興味が湧いたあらゆるスタイルの様々なプレイヤーを模倣してみましょう。擦弦楽器だけを聴くのではなく、トランペット、サクソフォンや声楽なども役立つ事でしょう。
我々自身がが幅広いリスニングとスキルに基づいた発達をさせていない場合、瞬時に芸術的な選択をすることは、ほぼ不可能です。」
Julie Lyonn Lieberman: The Strad, January 2006

 

7 ヴィブラートは体系的に考える必要があります
「バイオリンの詳細な研究の多くには、多くの教師、つまり偉大な教師でさえも、適切な注意を払うことが十分に重要とはみなされないものがあります。ビブラートは通常のヴァイオリン学習に関わっている認められていることはあまりありません。
ビブラートが全く使われていない場合は、慎重に、体系的に、そしてヴァイオリン学習を構成する他のすべての点と同様に徹底的に研究されるべきです。」
Arthur Heft: The Strad July 1902

 

8 生徒は各自のヴィブラートの上達のために助けを必要としています
「私の経験では、独学でビブラートが上達する生徒は4人に1人しか生まれません。そのような何かしらの助けを必要としない生徒に対しては個人の人格に干渉しないような方法での手助けが差し伸べられるべきでしょう。
John Krakenberger: The Strad, April 2000

 

9 ヴィブラートは一定ではありません
「多くのミュージシャンは、ビブラートが良い音作りの「自然な」部分であると主張しています。良いミュージシャンの手にかかると微妙なビブラートによって鈍い生きていない音色にも彩りを与えます。
20世紀初頭の弦楽器録音で聴かれる自由奔放な摺動と爆発は、私たちのほとんどが現代では模倣しませんがこのような審美的な判断には注意が必要です。」
Even Johnson: The Strad, June 1994

 

10 ビブラートを楽しみ耽るべきではない
偉大な演奏家によってさえ、「ヴィブラート」の効果なしで演奏されたソロを聞くことはめったにありません。揺れる長い音符はすべて、神経質なウェイターの手の上のプレートに乗せられたゼリーのように揺れる左手で確実に届けられるものです。そして、この揺れる音色はソロに限られていません。オーケストラのプレイヤーでさえ、ビブラートにあまりにも多く耽る傾向があります。 
The Strolling Player: The Strad, January 1908

 

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