新国立美術館ではダリの展示が行われています。とても独特な世界観の作品が豊富に集められており、見応え十分なものでした。それだけ来場者の数も多くあまりじっくりと堪能することができなかったのは残念でしたが、それでも十分なほどの内容です。
個人的に興味を持ったものは”引出しのあるミロのヴィーナス”という造形作品。
ヴィーナスの魅力を文字通り「引き出し」、そして見たままにヴィーナスに引き出しが取り付けられるという表現がなされていてダリらしさ満点でした。

新しい発想を形としてゆく。初期の作品から晩年の作品へと順を追って味わって行けるので心の変化や葛藤などが胸に迫ってきました。
ダリといえば不思議な空間の作品を思い起こすと思いますし、自分もそう感じていましたが、多くの作品を見ていると今回は「直線」の重要さを感じていました。
見るたびに、その時の心の心境や周りの環境でこれまで思いもしなかった事を感じたりするのがアートの醍醐味ではないでしょうか。
絵画の撮影はNGですが、最後の出口に設置されているオブジェは撮影スポットのようです。




美術展を巡ると不思議なことに創作意欲を刺激させられます。
「魔女の宅急便」の名言だと私が思っている一連の言葉の一つに絵描きのお姉さん(ウルスラ)が言っていた言葉がいつも心に残っています。キキがウルスラに魔法の力がなくなっている事を打ち明けた時の場面でのことですが。。
「ジタバタするしかない」「描くのをやめる」「描きたくなったら描いて描いて描く!」そして「(そのようなスランプの後)、でもそのあと少し、前より絵を描くってこと、わかったみたい」ということです。
ヴァイオリンの製作は伝統的な基礎の上に成り立っており、とても地味なものなのでスランプに陥りやすいと私は感じていますし、実際にそのようになったりもします。ですが、アート鑑賞やリサイタルを聴きに行けば不思議と意欲を刺激されます。
知らないうちに分けてくれたエネルギーを受け取っているのですね。
展示場の出口には魔のミュージアム・ショップが。。

大きな買い物はできないのでしたが「ダリのガチャガチャ」なるものを発見。

1ダリを購入すると左下のギアを回すことが出来て、6角形の箱が回転しながら卵カプセルが転がってきます。福引きと同じですね。卵カプセルの中身は色々な種類のピンズでした。。。しかし、私が欲しかったのは。。

このダリ紙幣でした。2ダリを手に入れて帰ってきました。
「完璧を恐れるな」
色々な事を考えるきっかけとなる言葉ですね。励まされた気持ちになります。
明日からまた頑張ろう!と思えてきました(笑)