ストラディヴァリ1715″Titan”/ バスバー (力木)

表板の裏側のG線側の真下に位置する棒状のパーツ、バスバーを接着し、整形しました。
バスバーはイタリア語で”Catena”、英語で”Bass Bar”、日本語では”力木”とされています。
イタリア語では「チェーン」の意味で英語では「低音側の枕木」日本語では支えるという意味合いがあるような印象です。

いずれにしてもこのパーツの役割は駒の振動を表板全体に伝えることなのでイタリア語、日本語の意味もなんとなくイメージは伝わります。英語は単純明快で低音に関する棒であるということが直感的に解りますね。

板材の音程を基準に厚み調整をしているため、表板の裏側は平らなように見えてもなだらかな凹凸状の面になっています。アーチによる傾斜もあります。
計算式からバスバーの位置を割り出し、駒の立つ位置も考慮しながらバスバーの取り付け場所を微調整します。
そして、この面に対してバスバーの接着面をぴったりに削ってゆくのですが目視だけでの確認は不可能です。

通常は接着面にチョークを擦りつけて、その上にバスバーを当ててチョークの粉末を写します。このチョークの粉末がついた箇所がヴァイオリンの表板の裏側の面に対して凸になっている箇所なので、その粉末を落とすように削ってゆきます。
この繰り返しの結果、バスバー全体にチョークの粉末がつくようになります。
この時点で表板の裏面のチョークを丁寧にクリーニングし、仕上がったバスバーをしっかりと当てて密着しているかどうかを確認できれば接着の準備が整います。

地味な作業ですが、「削ってればいつかは仕上がると」という心持ちで行なっていると意外に早く終えるものです。

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ヴァイオリンの内側に密着させて取り付けたバスバー: これからヴァイオリン表板の音程変化を確認しながら整形に移ります

個人的にチョークの粉末を使うとクリーニングが大変であったり、指に粉末がついてカサカサになってしまうので好きではありません。
これまでチョークを使わずに済む良いアイデアはないか?とカーボン用紙を使ったり色々と試しましたが手間や時間を考えるとチョークを使用する方法に軍配が上がります。

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ヴァイオリンのバスバーには様々な形状が: 表板の特性と目的ににより最適な形状を探ってゆくわけです

接着後、バスバーの厚みや高さを表板の音程変化に合わせて削り落としてゆきます。
表板となる素材の木材、表板のアーチや厚み、そして目的としている音色を考慮しながらの作業なので最終的な形は削り落とす前には解りません(大方の目安はついていますが)。

資料にはストラディヴァリに取り付けられていた過去のバスバー集がありますが、その形状は千差万別です。
平らなものや中央部が盛り上がったものなど様々です。

最終的な音響に関係のあるパーツなのでゆっくりと時間を掛けて行いました。掲載の画像は整形前の状態のものです。

理想が形になることを祈りつつ。

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