ストラディヴァリ1715″Titan”/裏板をリブ(横板)に接着

今日は日差しが暖かく気持ちよいお天気でしたね。
数日間は寒い日が続いていたので気分転換になりました。
今日の工房ではヴァイオリンの裏板をリブ(組み立てた横板)へ接着を行なっておりました。
1つのパーツを作っては組み立てての繰り返しなので、楽器というのはパーツを作っている時間がかなりのウエイトを占めているのだなと改めて実感させられます。

リブに膠(動物性接着剤)を塗布し、裏板を貼付けるだけなのですが事前準備と予行演習(下見)を行なって進めています。
室内の温度と湿度によっては膠がすぐに乾燥してしまうこともあるのでその辺りも気をつけながらの作業です。

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このクランプが手早く均等に圧をかけられることから好んで使っています
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接着位置を何度も確認

この時に使うクランプは素早く作業ができるようにヴァイオリン専用のクランプを使います。
このクランプのメリットは短時間で全体を均等に締め上げることができることですが、デメリットもあるのです。

特に表板の接着時にはリブの高さが一定ではないことがあります。これは表板にテンションを掛ける場合なのですが、その時にはこの均等に圧力を掛けるクランプは適していません。均等に圧を掛けるので部分的に低いところは圧が掛からないので隙間になってしまうのですね。
その場合はもっと小さなクランプを使用します。そのクランプについてはまたの機会に。

さて裏板がリブに接着されれば、これまでリブを構成していた内型を取り外します。
リブに負担が掛からないようにゆっくりと外し終えればライニングという細くて薄い板材をリブの内側全周に取り付けます。リブの強度を上げており、表板/裏板の接着面の確保にもなっています。

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ヴァイオリンの内型を取り外し、ライニングを取り付ける準備を

裏板側は接着前にライニングを取り付けているので上の画像のような状態です。

ライニングを曲げることに手間取ってしまい撮影を忘れていましたが、無事に取り付けが終わり、整形も終えることが出来たのでラベルの準備を。
羊皮紙でラベルを作成です。

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ラベルを用意し、制作年を記入しました

(中世の写本などで用いられている皮を薄くした紙の代用品で、現代ではカリグラフィーなどで用いられています。またヴァイオリンの駒のE線部では弦の喰込み防止にこの羊皮紙を貼り付けたりも)
製作年を記入すれば準備万端。通常はアラビア数字で製作年を記入されることがほとんどですがローマ数字にしてみました。
F字孔から覗いて綺麗に見える場所を決めて接着です。

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ライニングの取り付けも整形も終えたところです
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ラベルを接写、羊皮紙でできています

最終調整がありますが今後の流れは表板を接着し、箱にしてボディはひと段落となります。
明日からはネックとスクロールに取り掛かる予定です(笑)。

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