ストラディヴァリ1698″Joachim”/解説

マッジーニのモデルで調べ物をしていたところ、ちょうど良いタイミングで現在製作中のストラディヴァリ/ヨアヒム”1698″の解説を読む機会がありました。

グーグルのBooksという検索結果にたどり着いたのですが、当初はマッジーニについて調べていました。目的の記述は見当たらなかったものの、現在取り掛かっているストラディヴァリ/ヨアヒム”1698″についての記述があったので、少し読んで見ました。

実は、絶版になった書籍で現在は入手困難になっており、購入しておけば良かったと思っていた書籍です。現在は価格が非常に釣りあがっていて、費用対効果を考えると躊躇してしまいます。

楽器関連の書籍は需要が高くないので発売価格が高価になりがちなのと、機会を逃せば入手できなくなりやすいものです。今回は偶然とは言え、少しでも内容を読むことが出来てグーグルに感謝しています。

さてその内容はと言いますと、モールド(内型)は何を使ったか、なぜこのロング・パターンが誕生したのか、どのような人手を渡ったのかという経歴などについてでした。

この著者によるとロング・パターンは音響的、楽曲的な理由から製作されたのではなく、洋服でいうオートクチュール、特定の人物の身体的な理由から製作されたとありました。試行錯誤と考える場合ではロマンもありますが、現実的な意味ではこの著者の考えも十二分に考えられるなと感じた次第です。

そして、著者のこの楽器についての印象はというと、ハーモニアスなアウトライン(形)でエンドにかけてのラウンドが非常に美しいというものでした。ここは私も感じていたところでしたので、共感できたことに嬉しく思っています。やはり美しいスタイルですね。

今回、このモデルの製作にあたっては実寸大の画像資料から型を起こしましたが、著者によると”B”と呼ばれるモールド(内型)が使用されているとありました。

ストラディヴァリのモールドは、モールドに記号と年号が記されており、それぞれが博物館などに保存されています。ここでは詳細を省きますが、”B”をはじめとし”P””PG””SL”などなどがあります。

ちょうど、ストラディヴァリのモールド各種を作ろうとCADで準備していたところでもあったので、重ね合わせたくなりました。

注意しなければならないのは、同じモールドを使用しても木材の収縮やアウトラインのバランス調整などの理由から、同じモールドだからといっても同じものが出来上がる訳でわありません。それを踏まえた上で。。でも、やはり重ねて見たくなりますよね。

下の画像では左の赤色の線が画像資料から起こした、今回使用しているモールドです。外側が表板、裏板のラインとなり、その内側がモールドのラインとなります。

そして右のシアン色の線が”B”モールドです。

左: ヨアヒム"1698" / 右: Bモールド"1692"
左: ストラディヴァリ-ヨアヒム”1698″ / 右: Bモールド”1692″

 

重ね合わせた結果がこちらです。

ストラディヴァリ"B"モールドを重ね合わせた状態
ストラディヴァリ”B”モールドを重ね合わせた状態

今回、CADで起こした図はそれぞれ左右対称性を重視したものですが、実際には左右非対称になっている箇所もあります。それでも、こうして重ねてみると「このヨアヒムは”B”モールドで作られたのだな」という実感がわきますね。

ただ、それだけのことですが、興味が湧いたので実際に確認作業をしてみた次第です(笑)

ですが、

モールドは使用するたびに削れてしまうことや、より良いラインを追求するために修正が加えたりもされます。今回の比較のためのシアン色のラインは現存しているものからそのままラインを取っています。

その”施されたであろう”修正などを数式に従って復元したラインがあるのですが、こちらと比べるとアッパー(ボディ上部の膨らみ)とロウアー(ボディ下部の膨らみ)がやや狭くなっているのです。ミドルもやや狭くなっています。

赤: 復元ライン / シアン: 実際のライン
赤: 復元ライン / シアン: 実際のライン

オートクチュール的に製作されたとしても、ストラディヴァリの試行錯誤がこの僅かなラインの変化に現れているように考えるとロマンを感じ取ることが出来ないでしょうか?

私にはより美しいラインを、ほんの少しずつ求めた足跡のように感じました。

ちょうど、先日、平面上でアウトラインを写した際に「少しぼってりしてるかな?」と感じたことをブログに書きました

このように少し狭くなっているのはストラディヴァリも「少しぼってりしてるかな?」と感じたのかもしれません。そう考えると楽しくなりますね。

 

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