ストラディヴァリ1698″Joachim”/エッジ部分の厚み出し

表板材と裏板材を切出したので、これからアーチを作ってゆきます。

できるだけ資料を活用するために、縦方向のアーチについてはテンプレートを新たに作りました。

縦アーチのテンプレートを準備
縦アーチのテンプレートを準備

貼り付けて、切出して、切断面を整えるだけです。より手軽な塩ビのシートを用いても良かったのですが、長さがあると撓んでしまうので、硬さのある木材を使用しました。

貼り付け、切出します
貼り付け、切出します

どのような感じのアーチになるのか、ここで見当をつけておきます。

出来上がったテンプレート
出来上がったテンプレート

表板材と裏板材のそれぞれをアーチの一番高い部分に合わせて厚みを調整してゆきます。気持ち厚めに仕上げておくことで、アーチを作りながら調整をかけてゆきます。ですので、現状では何も考えずに鉋掛けに集中です。

板のアーチに従って最大高さ近くまで荒削り
板のアーチに従って最大高さ近くまで荒削り

厚みが整えば、エッジ部分の厚みを出してゆくために、アーチの起伏が切り替わる場所を目処に印をつけて、彫り込む場所を決めます。

エッジ部分の削り出すエリアに印づけ、作ったテンプレートはこのように当てて使用します
エッジ部分の削るエリアに印づけ、作ったテンプレートはこのように当てて使用します

刃を入れるまでは緊張するものですが、少し削り始めれば緊張している暇はありません。出来るだけ慎重に厚みを出してゆきます。厚みに余裕を取りすぎると後で手間になりますが、最初からぴったりを狙うと削りすぎることとなる可能性もあるので、ほどほどに。

刃入れ
刃入れ

荒削りはあっという間に進んでゆきます。

サクサクと余裕を持ちながら
サクサクと余裕を持ちながら

表板のスプルース材はとても柔らかいので、削り過ぎないように気をつけてさえ入ればあっという間に終わります。実質20分から30分程度でしょうか。前準備として刃研ぎも行なっていたのであっさりと終えることが出来ました。

表板の終了
表板の終了

この後、エッジを最終的に調整します。それから縦アーチのテンプレートを当てながら、縦のアーチを作ってゆきます。

今後はテンプレートが当たっている部分を削り落としながら縦のアーチを作ってゆきます
今後はテンプレートが当たっている部分を削り落としながら縦のアーチを作ってゆきます

表板のエッジはほぼ終えたので、勢いがついているうちに裏板材のメイプルにも取り掛かります。こちらはスプルースとは異なり、非常に固く、繊維も入り組んでいるので厄介です。

体力勝負のメイプル材
体力勝負のメイプル材

スプルースは数十分で終えた内容が、メイプルでは数時間がかかりました。また握力、腕力共に消費させられ、この寒い中にも関わらず久々に汗をかきました。

昔、あまりにも力が必要なので木槌で彫刻を施すようにすれば手っ取り早いのでは!?と考えて実行してみたことがあります。木槌を使うと衝撃が与えられることとなるので、衝撃に弱い膠が剥がれてしまい、せっかく接いだ板材がバラバラになってしまったことは良い思い出です(笑)。

より楽な方法をと考えて、ルーターを使ってみたこともありましたが、これも思うように使いこなせずに電動器具の勢いに負けてしまったこともありました。

結果的には、時間が掛かっても手彫りで薄く削りながら整えてゆくことが私には合っていると実感しています。

表、裏共になんとか一段落つきました
表、裏共になんとか一段落つきました

 

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