表板材と裏板材を切出したので、これからアーチを作ってゆきます。
できるだけ資料を活用するために、縦方向のアーチについてはテンプレートを新たに作りました。

貼り付けて、切出して、切断面を整えるだけです。より手軽な塩ビのシートを用いても良かったのですが、長さがあると撓んでしまうので、硬さのある木材を使用しました。

どのような感じのアーチになるのか、ここで見当をつけておきます。

表板材と裏板材のそれぞれをアーチの一番高い部分に合わせて厚みを調整してゆきます。気持ち厚めに仕上げておくことで、アーチを作りながら調整をかけてゆきます。ですので、現状では何も考えずに鉋掛けに集中です。

厚みが整えば、エッジ部分の厚みを出してゆくために、アーチの起伏が切り替わる場所を目処に印をつけて、彫り込む場所を決めます。

刃を入れるまでは緊張するものですが、少し削り始めれば緊張している暇はありません。出来るだけ慎重に厚みを出してゆきます。厚みに余裕を取りすぎると後で手間になりますが、最初からぴったりを狙うと削りすぎることとなる可能性もあるので、ほどほどに。

荒削りはあっという間に進んでゆきます。

表板のスプルース材はとても柔らかいので、削り過ぎないように気をつけてさえ入ればあっという間に終わります。実質20分から30分程度でしょうか。前準備として刃研ぎも行なっていたのであっさりと終えることが出来ました。

この後、エッジを最終的に調整します。それから縦アーチのテンプレートを当てながら、縦のアーチを作ってゆきます。

表板のエッジはほぼ終えたので、勢いがついているうちに裏板材のメイプルにも取り掛かります。こちらはスプルースとは異なり、非常に固く、繊維も入り組んでいるので厄介です。

スプルースは数十分で終えた内容が、メイプルでは数時間がかかりました。また握力、腕力共に消費させられ、この寒い中にも関わらず久々に汗をかきました。
昔、あまりにも力が必要なので木槌で彫刻を施すようにすれば手っ取り早いのでは!?と考えて実行してみたことがあります。木槌を使うと衝撃が与えられることとなるので、衝撃に弱い膠が剥がれてしまい、せっかく接いだ板材がバラバラになってしまったことは良い思い出です(笑)。
より楽な方法をと考えて、ルーターを使ってみたこともありましたが、これも思うように使いこなせずに電動器具の勢いに負けてしまったこともありました。
結果的には、時間が掛かっても手彫りで薄く削りながら整えてゆくことが私には合っていると実感しています。
