ストラディヴァリ1698″Joachim”/サウンド・ボックス ~2~

着々と接着が進んでおります。

サウンド・ボックス ~1~はこちら

裏板の接着が終わり、クランプを外してリブからエッジまでの距離を全体的に確認しました。
リブの位置にはリブのラインを罫書いているので、その罫書き線を狙って接着するのですが、ライニングを接着した後はどうしても木材の収縮が起こるので完全にぴったりとは収まりません。
やはり僅かにですが罫書き線とは異なっている箇所もありました。
下の画像はクランプを外した直後で、鉛筆の線は最終的なアウトラインとなるものです。

リブとエッジの距離が均等になるように整形してゆきます
リブとエッジの距離が均等になるように整形してゆきます

作業中に想定される「欠け」や「クランプ痕」を最終的には削り落とすことが出来るように2mm弱ほど大きめに切り出しています。
リブが裏板に接着されると、リブからエッジまでを等間隔に加工することができるので、最終的なアウトラインが完成することとなります。
改めて2mm間隔に罫書き、その線を目安に外観のアウトラインを調整しながら仕上げてゆきます。

裏板のエッジ整形後
裏板のエッジ整形後

アウトラインが一段楽すれば裏板の内側を清掃してラベルを貼り、エンドピン孔を開けて表板を接着して閉じるだけです。

好きな眺めの一つ
好きな眺めの一つ

表板はテンションが掛かるようにリブの高さを調整しているので、木釘の存在が非常に助かります。
木釘が表板の位置を固定してくれるのですが、テンションが掛かるため木釘をブロックに開けた孔へ差し込むことも難しいものの、この木釘がなければテンションが掛かるように接着することはより難しいように感じます。

表板の接着
表板の接着

一晩ほどクランプで固定するのですが、置いておくだけにも関わらず、どうしても気になってしまい仕方がありません。
普段流れる時間と比べると長く感じてしまいます。

クランプを外しました
クランプを外しました

クランプを外すと、早速リブ周囲の確認です。罫書き線に収まっていますが、エッジとの距離は僅かにばらつきも見られます。
表板も最終的なラインより大きめに切り出しているので、裏板と同様にリブからの距離が一定になるように整形してゆきます。

表板もリブとエッジの距離を整えます
表板もリブとエッジの距離を整えます

スプルースは柔らかいのでスムーズに整形できますが、気を抜くと削りすぎてしまうという事もあり得るので要注意です。

表板の全周を整形したところで、次は裏板のアウトラインとの整合性を整えてゆきます。
リブ自体がしっかりとしているのでズレは生じませんが、色々な角度から確認しながら、気になる凹凸を見つけては整えるという加工の繰り返しです。

アウトラインが整った状態
アウトラインが整った状態

アウトラインの整形を終え、雰囲気を堪能していました。
このストラディヴァリ:1698″ヨアヒム”独特のアッパー・バウツ(ボディ上部1/3の膨らみ)の雰囲気は”ヨアヒム”そのものです。一般的なアッパー・バウツ幅で僅かに上方向へと伸ばされた「撫で肩」のシルエットでとても好みです。

これでヴァイオリンのアウトラインが決定したので、後はパーフリングを残すのみとなりました。
このパーフリングが終わればヴァイオリンのサウンド・ボックスの完成となります♬

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