こんにちは。昨日は雨でしたが娘の髪を切ってきました。生まれて初めてのカットなので本人も緊張気味。ついでに私もカットをお願いしてきたわけでした。
私といえば、もう3年ほどカットをしておらず毛先が重たい印象が出てきていました。機会があればと思う程度には気にしていたのですが、なかなか機会を得られなかったのですが昨日は絶好の機会となったわけです。娘は6年間ずっと伸ばしていたので、お尻までの長さから肩までの長さに。私も肩までの長さを保ちつつ毛先のお手入れをしていただきました(笑)。
美容室では、いつも座席に座っている視点で過ごすわけですが、娘のカットを見ていると美容師さんのお仕事をよく観察できました。違った視点で物事を見ることはとても為になります。美容師さんの手順などを見ていると「余分な箇所を落としてゆく」ということに気づきました。長さを整えるという印象でしたが新たな発見で、ヴァイオリンの板を削るときに気をつけていることと共通点が見つかったような気がしてとても良い勉強になった次第です。
音楽は「時間の彫刻」と言われますね。余分な箇所の削ぎ落とすことも重要です。
幼少の頃から音の発生と時間の経過との関係に興味を持っていたので、大人になってこの「時間の彫刻」という言葉を知ったときには目から鱗でした。まさしくその通り!ととても共感したものです。
では、音楽について、特に演奏となると余分な箇所を落とすということは音色の強弱やイントネーションに関する部分だと思います。
ヴァイオリンに関してですが、皆さまはppからffまでどのように違いを創っていらっしゃいますか?弓にかける圧や弓の速さなど検討の余地は多くあり難しいところです。演奏においての悩みどころではないでしょうか。頭の中でなっている音楽と両手がついて行かずストレスが溜まる箇所ですね。
そこで過去に読んだ記事で指板と駒の間には6つのゾーンがありppからffまで弾く場合のヒントになるということを思い出しました。

余分か箇所を削ぎ落とすということを考えていたときにふと音楽について考えていたときに思い出したことです。演奏、時間の彫刻にお役に立てば嬉しい限りです。
さて、ヴァイオリンの製作、アンドレア・アマティのモデルですが、毎回のごとく「悩みどころ」に足を引っ張られています。。

ヴァイオリンのアーチはただ膨らんでいるだけではなく、場所ごとにアーチの異なりがあるので見えない部分にメリハリがあります。そんなメリハリの代表的な部分がF字孔周辺の窪みとアーチの繋がりです。
ここのバランスが調和されるように「余分な箇所」をそぎ落としてゆくのですが、難しい部分です。部屋を暗くして灯りに照らし出される明暗を頼りに進めてゆく作業です。
裏板のアーチも追い込みに入っています。表板と裏板のアーチが決まり次第、板の厚み出しに進みます。
時間が掛かっても慎重に。シンプルなことですが、心に留めていたいものですね。