3日前の2017年9月1日にラーセンの新作「弦」が紹介されました。
弦製造業として27年が経つラーセンは自宅ガレージの作業場でチェロ弦の製作からスタートした若々しくもチャレンジングなブランドではないでしょうか。その逸話のとおり、チェロ弦はとても定評があります。もちろんヴァイオリンやヴィオラも。
そのラーセンから紹介されたヴァイオリン弦の名前は「イル・カノーネ」、パガニーニの偉業に敬意を込めて名付けたようです。パガニーニといえば彼のヴァイオリン、バルトロメオ・ジュゼッペ・グァルネリ”デル・ジェス”による”IL CANNONE 1743″ですね。パガニーニの愛器”IL CANNONE”がそのまま弦の名前に。
つまりパガニーニの偉業・革命を讃えると同時にグァルネリ”デル・ジェス”と彼の楽器も讃えていると感じて止みません。きっとラーセンが見出した信念というものは、パガニーニとグァルネリが融合することで実現された音楽なのだと感じます。芯の通ったウォームな印象の力強いサウンド、音の輪郭がしっかりしつつもエッジなどの雑味はまろやかに抑えられて、音飛びも良く複雑な音色、、、そんな想像が膨らむ新作「弦」ではないでしょうか。
“デル・ジェス”のイル・カノン1743はストップ・レングス(ボディとネックの接合部から駒位置までの距離)がスタンダードな195mmより僅かに長く製作されています。当時は地方によってスタイルも異なり、厳密な意味でスタンダードはなかったことが幸いしたのかもしれません。
過去にイル・カノン1743をモデルとして製作した経験から、ストップが長くなる=弦長が長くなることとなり力強さにウォームな色合いが加わるような印象を受けました。ちなみにストップが長いだけ、弦長が長いだけ等では辻褄が合わない楽器になってしまいますので、正確に整合性を考慮して製作しなければなりません。
弦から楽器へと話題は変わってしまいましたが、どちらも表裏一体の存在です。ラーセンも楽器の持ち味を引き出せるように、楽器の個性に対して”欲しいニュアンス”を加えるという観点から弦を作っているのでイル・カノンという弦にも期待が高まります。
このイル・カノンにはバリエーションが2つあります。1つはノーマルであるミディアム・ゲージ、もう1つはフォーカス性が高いと謳われているソリストです。
私はこのパッケージのデザインから衝動を引き起こされるような印象を受けています。
紹介されたばかりなのでいつ入荷できるのかが未定ですが、早い時期に仕入れたいと思っています。入荷の際には改めてご紹介しますので楽しみにお待ちくださいませ。
2017年9月15日追記:入荷しました→こちら
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