裏板のメイプル材の接ぎを準備し、接着面を最終仕上げしました。
製材の段階では板材の形が整っていないので、固定には悩まされます。特に今回のような接ぎの場面では板材の片面が斜めになっているのでバイスで固定すると斜めに傾いてしまい、不自由な感覚を抱いてしまいます。
この場面で使用することを前提にバイスに傾斜がついた板材をネジ止めしたりと、十人十色でいろいろな工夫や方法がありますが、私はこの小道具が好きです。
湾曲と直角を合わせたブロックに滑り止めの革を貼り付けたものです。大小それぞれ準備していて必要に応じて使い分けています。どんな時に使うのか、その時のアイデア次第のものですが接ぎでは材をバイスに固定する際に重宝しています。
下の画像をご覧いただくと左側の面に傾斜がついているのでバイスで固定しようとしてもグラグラしてしまいます。
そこで、この小道具(現在は名もなき木片です、、)を間に挟むと湾曲部分がしっかりと材の面をグリップしてくれるのでほぼ垂直に固定することができます。この場面では角度よりもグラつきなく固定されることが最優先です。
小道具の方向を変えることで、違った湾曲面を使うことが出来るので大抵の固定には対応してくれます。
しっかりと固定できたら、この上に接ぎ合わせたい材を載せて直線性や密着性がしっかりと取れているかを確認します。
背面からライトを照らして隙間が見えるというのは問題外です。接着面が2cm弱の幅なので光を頼りにはできませんので、左右に滑らせてみたり、上から押さえて感触を確かめたりとします。
こういった確認をしたいので、しっかりと固定されていることが大事だなと感じます。
これで良し、と感じることができれば接着です。その際にはメイプル材の杢を光で照らして、何度も傾けながら杢の繋がりを確認してどの位置で接着するのかを決めます。
光の当たり具合で杢の反射が輝いて綺麗なことこの上ないのはいつも感じます。ホログラムのようにキラキラと杢の中で光が反射して宝石のように輝きます。眺めては綺麗だなと感じているのですが、このキラキラ反射が位置決めを難しくさせられる事も事実です。
どの角度から見ても自然な繋がりになる位置は狭い範囲なのですが、だからこそ悩みの種になってしまいます。。
決心をすれば、鉛筆で接着位置を記しづけて、接着です。が、何かと手際の良さが求められるので写真を撮ることはできませんでした。。
金具で固定して固着するまで休んでいただきました。
斜めの鉛筆ラインが位置決めの印です。
アーチになる面は段差があり影になってしまうので、しっかりと接着出来ているのか不安にさせられます。
接着面が固まるまで何も出来ないので、アマティ・モデルの表板側にパーフリング加工です。
裏板のメイプルは硬いので力が必要で指が痛くなるものの、削りすぎやラインの歪みというのはあまり意識しなくても問題にはなりません。その反面、表板のスプルースは非常に柔らかいので指先にも優しいのですが、削りすぎないように気をつけなければなりませんし、年輪部分が硬いので、刃先が年輪に取られてしまってラインを崩しやすいという落とし穴があります。その点に気をつけて溝を作ってゆきます。
裏板と同じようにパーフリングを加工して接着できるように準備しました。やはり雰囲気が格段に上がりますね。突出部分を削り落として表面と一体化させれば完璧です。
少し時間は早いですが、メイプル材の接着面が気になって仕方ありませんでした。頭では待つ事も仕事とわかっているのですが、この段差を見ていると居ても立っても居られないわけです。
どうしても我慢できなかったので、接着面の段差だけを軽く面だししました。
こうして接着面が完成していることがわかれば、もう安堵できるので早々に切り上げて金具を締めなおして一晩休んでいただきます。。
パーフリングの加工に時間を取られましたが、丁寧に進められたので一安心です。そして連絡事項など一通り終えてからは久しぶりにYoutubeを徘徊しました(笑)。
音楽のジャンルを超えて、色々な楽器で自由に音楽を楽しむクロスオーバーが定着している印象がありますが、モーツァルト・ヒーローズをご存知でしょうか?
メインはハードロックを掛け合わせています。チェロもディストーションをかけて攻めてます。
今日、初めて視聴したのですが、クラシック好きでロック好きにはたまらない感覚でした。ロック関連ですと、ネオクラシカルとはベクトルが異なる近年のクロスオーバーは小洒落た感じでとっつきやすいですね。
そういえば、クロスオーバーで鉄板はやはりメタリカです。静と動のギャップがいいのかもしれませんね。エンター・サンドマンとナッシング・エルス・マターズが演奏される機会が多いですが、その他名曲が豊富なところも魅力的。私はアンフォーギブンが好きです。自分でアレンジしても面白いかもしれない気がしてきました。。
何より、色々なジャンルで取り上げられる「メタリカってやっぱり凄い」と改めて感じさせられます。
そのモーツァルト・ヒーローズからエンター・サンドマンを。
PVではありませんが、007メドレーも。もはやクロスオーバーと言えるかどうか分からなくなってしまっていますが、、(笑)。もしかしてチェロにディストーションかけてしまったことで失敗してる感も無きにしも非ずな気が。。そんなところも可愛さでしょうか。二人を見ていると、そんなことより楽しめれば良いという気持ちが十分に伝わります。
スカイフォールからダイアモンドは永遠に、そしてドクター・ノオです!直近から遡るというのも感慨深いですね。スカイフォールで明かされた007の生い立ちが頭をよぎります。