だんだんと秋が深まりつつありますが、いかがお過ごしでしょうか?前回記事にしたレース・ドールをはじめ、私にとっては近年稀に見る芸術の秋となっています。
10月末までにはリブを完成させたいと言うことで予定通りに進んでいますが、11月はヴィオラのボディを完成させたいと考えています。できればヴァイオリンの方も完成させたいのですが、音程調整により重きを置きたいのでヴァイオリンは12月に掛かるかもしれません。
そう言うことで11月の初日にヴィオラの表板と裏板を切り出しました。
平面と立体では印象が大きく変わります。リブを各板材に当ててアウトラインを写した時点では思っていたアウトラインではなく、先行きが思いやられましたが、リブのコーナー部分など修正を加えて理想的に近いアウトラインを出すことができました。
一抹の不安がありましたが、切り出した後では思っていたラインに沿っていたので一安心です。
その後の週末の連休は外出が多く、作業を進めることは出来ませんでした。。その間はヴィオラの製作に打ち込めるように何か良いBGMでもとかねてより気になっていたCDを注文してみました。
ヴィオラの名手と呼ばれているフランス出身のヴィオリスト、アントワン・タメスティの4月に出されたCDです。これまで注文するタイミングがなかなか合わず、ようやく手にすることが出来たのですが、その素敵さに感動です。
bel canto ~the voice of viola~
ベル・カントというタイトルで、収録されているどれもが魅力溢れる演奏なのですが、個人的にはアンリ・ヴュータン(Henri François Joseph Vieuxtemps)のピアノとヴィオラのためのソナタ、カシミール・ネイ(Casimir Ney)の無伴奏ヴィオラのためのプレリュード 第15番がお気に入り。
ヴィオラの深みのある音色でヴァイオリン曲のような華やかさも味わえる一枚だと感じました。サブタイトルのとおりヴィオラが歌っていて、本当にどれもが心奪われてしまいました。
こちらはベル・カントのアルバム・プレゼンテーションです。
楽器はストラディヴァリウス1672
説明によると、この楽器の裏板には低い周波数を引き出すポプラ材が用いられているとのこと。ストラディヴァリの数少ないヴィオラの中でも唯一無二の存在です。Habisreutinger財団から貸与された時は音の出にくさに返却をも考えたそうですが、少しずつ花が開くように音が出始めると手放せなくなったようです。
現代音楽の強さにも応えてくれて、力強い表現でもエッジーにならない包容力のある楽器のようです。
素敵なCDを手にしたので、ヴィオラ製作の意欲も湧いてきました。
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