A.ストラディヴァリ”PG”型のレプリカ

 

これから製作するヴァイオリンが決まりました。

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ヴァイオリン製作についてですが、色々と熟慮を重ねた結果、ストラディヴァリの内型の1つ”PG”と呼ばれている型を用いて”1721 / レディ・ブラント”を手掛けることにしました。

前回の記事「ヴァイオリンの歴史的コンセプト」でも書きましたが、ストラディヴァリが何を考え何を理想とし何をしたのかそして何をしようとしていたのか?という事を考えている中で、原点に立ち返り追体験をしたいと願うようになった次第です。

ヴァイオリンの製作は使用する内型(モールド)によって左右されます。本来ではこの内型があり、ヴァイオリンがあるという順番です。

ストラディヴァリはレディ・ブラントを製作するために内型を作ったわけではなく、過去の内型を改良した結果、レディ・ブラントが完成したという事です。

この順番を踏襲することで何か得ることが出来ればと考えています。

ストラディヴァリがどのように内型を設計したのかは諸説あり、色々なデザイン方法が研究されています。そこで、今回は資料として得ることが出来るデータを基に内型を再現し、その内型を用いてヴァイオリンを製作するという工程となります。

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レディ・ブラントはストラディヴァリのメシア/メサイアの次に当時の状態を残している楽器であると同時に、どの内型を使用したのかがはっきりと分かっている楽器です。

レディ・ブラントのペグボックスの底面には”PG”という印があります。

ストラディヴァリのレディ・ブラント
ペグボックスの底面にPGと読むことができます

 

この内型”PG”の型に刻まれた年号は1689年。こちらが、その内型です。ストラディヴァリPG

レディ・ブラントの製作年は1721年とされているので、内型が存在してから32年経っています。おそらく、その間に内型のアウトラインもブラッシュアップされていることと思われます。

資料として遺っている本物のPGは使用による劣化のため当て木で補修されています。今回製作したPGは手書きの文字と刻まれた年号を再現しましたが補修は再現していません。

eye

つけペンで文字を記入しました。

pg01

資料と比較しても、雰囲気は近づいたような気がします。

内型の準備が整ったので、あとは製作するのみ。楽しみです。

 

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