ホワイト・ヴァイオリン A.Stradivari Forma “G”

いよいよ夏となり、近所のお祭りの賑やかさに風情を感じる今日この頃です。皆様は如何お過ごしでしょうか?

先月の今日頃にブログを更新して、気がつくと1ヶ月が経ってしまいました。いつも心の片隅にブログ更新を考えているものの、写真の現像などを後回しにしているとついつい遅れがちとなります。そのような状態ですが、ストラディヴァリの内型”G”モデルは大凡ホワイトで完成しました。

今回はこの1ヶ月を振り返るような感じで時系列で更新してみたいと思います。

先月はボディが完成したので、ネックに取り掛かりました。いつもと同じストラディヴァリ・モデルのテンプレートを使用しています。このテンプレートはベッツがモデルになっていて、スクロールの形やペグボックスの曲線がとても気に入っています。

このテンプレートを使用する際にはペグ孔はその都度設計しています。テンプレートに孔を開けていれば毎回同じにできるのですが、孔のレイアウトも楽しみの一つとなっています。弦の通り道や側面から見たバランスなど考えていると時間はあっという間に過ぎてしまいます。

このネックに取り掛かっているところ、グァルネリ・デル・ジェス 1743 “IL CANNONE” のオーダーメイドを戴きました。このモデルは過去も現在も練り続けているものだったので、これまでの蓄積を形に出来ることは嬉しい限りです。

これからの季節は湿度も高くな流のでボディの製作は控えたいところです。湿度管理は整えているのですが、センシティブな部分は肌寒くなった頃から春先にかけて手掛けたいものです。”G”モデルもネックを始めたばかりなので、IL CANNONEについては秋頃までは製材とネックを済ませようと段取りを組みました。”G”モデルのネックと同時進行出来るので、好ましいタイミングです。

IL CANNONEの準備として、最初に行うことは板の接ぎ合せです。

7月は過ごしやすいほど気温も高くなかったので、窓から入る風を頼りにしていましたが、ノコギリ作業はやはり汗だくになってしまいました。急に身体を動かしたので脱水症寸前の気配を感じたので適度に休みながら半分にしました。

ノコギリ跡を整えるため鉋を掛けて、鉋刃も鋭いうちにネック材も製材しました。

オーダーメイドでは2艇製作するので、このテンプレートにはペグ孔を開けています。そしてもう1艇の製材も。材は最上のグレードからIL CANNONEに似た角度の杢が入っているものを選んでいます。

接ぎ合せは木材加工の基本が詰まっているように感じます。面を整えたり直角を作ったり直線を出したり水平を作ったり。基本とはいえ、難しいものです。

最小限の加工で完成させることを目指し、出来るだけ薄削りにします。

デル・ジェスのIL CANNONEは杢の傾きが上方向になっていますので、接ぎ合せた板材からどの部分を切り出すか考えるのも楽しみの一つです。2艇分の接ぎ合せを済ませ、ネックを同じ段階まで揃えます。直方体を作るので、これも基本ですね。

“G”モデルのネックを含め、3艇分の加工に入りました。熱中してしまいやすい部分で途中のお写真は終盤のものとなってしまいました。

IL CANNONEもペグボックスの加工を済ませたので、一先ず”G”モデルのスクロールに縦筋を彫り、ボディにセット出来るようにしました。

ネックのグリップ部分を加工するために指板を準備します。スクレイパーを研いで、ベストの状態で取り組みます。

スクレイパーの刃付けは単純なものですが、これが難しい部分で最近になってようやく満足いく刃を付けられるようになれたかなと思えるようになりました。綺麗な屑が出ると何か達成感を感じてしまいます。ただ、それよりも削った面が綺麗な事の方が嬉しいです。

指板とナットを完成させ、ネックに仮付です。横に置いたネックが指板の表面に写り込んでいるのがわかります。

クライマックスの一つ、ボディとネックの合体です。

この形になると、それまで別々だったパーツが全て組み合わさったように感じると同時に凛々しく見えます。

今回のメイプルはスイスのベルギューンで伐採されたものを使用しています。スイスの寒冷で高度がある地域で育っているので年輪の幅も均等で杢も綺麗です。それらの特徴に加えて個人的に気に入っているのは白さではないでしょうか。とにかく綺麗な白で質感が高いです。

このヴァイオリンには同じ木材から裏板と横板、ネックを切り出しているので、裏板と横板の繋がりを意識して製作しました。横板は予備を含め全て使い切って良い状態のものを組み付けました。

ほぼ完成というのは、まだエッジの加工が出来上がっていないからです。実は過去に製作して途中で止まっていたアンドレア・アマティ 1573 “Payne, Gonley”がネックとボディの接合待ちだったので、”G”モデルのついでにネックをセットし、先にニスに取り掛かっています。

ヴァイオリンの歴史の中では初期の楽器をモデルとしたので、ハイアーチです。わかっていて製作し始めたのですが、どのように仕上げるか随分と悩んでしまいました。板はソリスト向けに調整したのですが内部空間が大きめなので少し楽しみです。ハイアーチですが音量も期待できそうな仕上がりとなりました。

今はまだ下地作りですが、アマティがUVボックスを独占しており、ある程度のニスが乗るまでの間、”G”モデルは時間を掛けて最終仕上げにしようと考えています。スクロールについても日をまたぐと気になる部分を見つけたりするので、それらが無くなった時が完成の時ですね。

これからはデル・ジェスの”IL CANNONE”のテンプレートに取り掛かってゆきます。

ご質問などございましたらお気軽にお問い合わせください。

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