ストラディヴァリ1698″Joachim”/ダンディな紳士

三寒四温で不安定な気候ですが、日中は半袖でも過ごせるくらいですね。そして桜の季節になりました。お花見には行かれましたか?

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トーンウッドの比重

ヴァイオリンに用いられるスプルースとメイプルという木材はヴァイオリンにとって音響的に理想的な材木です。「木材の比重とヴァイオリンに用いられる”トーンウッド”」についてご説明を。ステューデント/アンサンブル/オーケスタラ/ソリストなどのカテゴライズにも関係します。
ご興味があれば幸いです。

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ストラディヴァリ1698″Joachim”/サウンド・ボックス ~1~

表板へのバスバー取り付けと整形・チューニングが終わり、裏板のチューニングも終了を迎えました。

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ストラディヴァリ1698″Joachim”/F字孔

ヴァイオリンの表板:スプルースにF字孔を開けました。トップ画像ではまだパーフリングを象嵌していませんので、少し締まりがないような印象です。
慎重に手がけると気がつけば数時間があっという間に過ぎているということも多々ありますが、このF字孔もそういった類の加工と感じます。

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ジョバンニ・パオロ・マッジーニ

ストラディヴァリのロング・パターンのヨアヒム1698の裏板(メイプル)をチューニングしていると、木質の関係上、柔軟性や音程がなかなか狙い通りに一致せず、とうとう破棄せざるを得なくなりました。無念であります。。

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ストラディヴァリ1698″Joachim”/削り出し

ヴァイオリンの表板と裏板のアーチが満足できる程度まで仕上がったので、内側を削り出してゆきます。ここからは音色に関わる工程なので、期待もあれば緊張もします。

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ストラディヴァリ1698″Joachim”/観察

今は雨音がしっとりと聞こえてきますが、日中はとても暖かく、カフェのテラス席でお茶をしたくなるような日和でした。
表板のアーチがやや浮腫んだように見えていたので、少し修正を行い、F字孔を描き入れました。

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ストラディヴァリ1698″Joachim”/アーチの追込み

やや暖かい日差しを感じながらもストラディヴァリのロング・パターン / ”ヨアヒム”1698 のアーチングに時間を費やしていました。

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ストラディヴァリ1698″Joachim”/解説

マッジーニのモデルで調べ物をしていたところ、ちょうど良いタイミングで現在製作中のストラディヴァリ/ヨアヒム”1698″の解説を読む機会がありました。

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ストラディヴァリ1698″Joachim”/ライニング

2月になると一段と寒さを感じます。

リブが出来上がり、ライニングと呼ばれるパーツを取り付ければリブは完成に近づくこととなります。

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ストラディヴァリ1698″Joachim”/横板(リブ/ガーランド)

早くも2017年の1月最後の日となりました。この数日は天気も良く外の空気が気持ち良いですね。

工房では横板(リブ/ガーランド)をモールドに取り付けていました。
これまでは準備作業が続いていましたが、この辺りからようやくヴァイオリンを製作しているという雰囲気になりますね。このリブに表板と裏板が接着されます。

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ストラディヴァリ1698″Joachim”/モールド(内型)の製作

今回はヴァイオリン製作の第一歩であるモールド(内型)の製作を行います。このモールドによって仕上がりのアウトラインが決まるので重要な行程です。

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次のモデルは…ストラディヴァリのロング・パターン!!

前回、「ストラディヴァリの軌跡」ということでストラディヴァリの辿った足跡を考察しました。それからというもの、ずっと頭の中ではロング・パターンについて思いが巡っていました。

こうなっては手掛ける以外の選択肢は見当たりません。 “次のモデルは…ストラディヴァリのロング・パターン!!” の続きを読む

ストラディヴァリの軌跡

ヴァイオリンの魅力は音色、フォルム、構造などの色々な要素から成り立っています。それらが重なり合い、縺れ合うことで個性が輝くのでしょう。
現在まで音響、物理、材質、楽器の分析など多方面から様々な考察が盛んに行われていましたし、これからも行われるでしょう。
幸いにもストラディヴァリの作品は多く存在し、好条件の元で保管されています。
ストラディヴァリの足跡ですね。

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ヴァイオリンの素材はどのように準備されるのか

ヴァイオリンの素材はスプルースとメイプルですが、これらが素材の状態はどのようなものか、またその準備の様子を見ていただこうと思いました。

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ストラディヴァリ1715″Titan”/ホワイト・ヴァイオリン

寒さが厳しくなり、雪の話題が出たりしている昨今ですがいかがお過ごしでしょうか?

工房では手掛けていた楽器がホワイト・ヴァイオリン(ニス未塗装の状態)にて完成しました。

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ストラディヴァリ1715″Titan”/指板(裏側)とネック

今年の始まりは整理整頓から始まりました。年末にほとんどを行いましたが、まだ残っていたことが。。
グローブの修繕です。

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インナー・ビューティー(ヴァイオリンの内型)

新年あけましておめでとうございます!
天候も良く、清々しい年明けですね。どのようにお過ごしでしょうか。

皆さまにおかれましても素敵なお正月をお迎えできていますように。

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ストラディヴァリ1715″Titan”/スクロールを立体的に

ここまで側面方向からのアウトラインを切り出してペグ穴を開けたところでした。その後、正面と背面の前後方向からペグボックスとスクロール部分のアウトラインを切り出します。

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ストラディヴァリ1715″Titan”/ネックとスクロール、その古来の切出し方法

今回のストラディヴァリのモデル、タイタンのボディは残すところヴァイオリンの表板を閉じるというタイミングに来ております。ここで閉じても良いのですが、もう少し時間をかけて微調整を施したいと思っているのでネックとスクロールに作業を移しました。

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ストラディヴァリ1715″Titan”/裏板をリブ(横板)に接着

今日は日差しが暖かく気持ちよいお天気でしたね。
数日間は寒い日が続いていたので気分転換になりました。
今日の工房ではヴァイオリンの裏板をリブ(組み立てた横板)へ接着を行なっておりました。
1つのパーツを作っては組み立てての繰り返しなので、楽器というのはパーツを作っている時間がかなりのウエイトを占めているのだなと改めて実感させられます。

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ストラディヴァリ1715 “Titan” バスバー

表板の裏側のG線側の真下に位置する棒状のパーツ、バスバーを接着し、整形しました。
バスバーはイタリア語で”Catena”、英語で”Bass Bar”、日本語では”力木”とされています。
イタリア語では「チェーン」の意味で英語では「低音側の枕木」日本語では支えるという意味合いがあるような印象です。

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ヴァイオリン / F字孔のファンクション

前回は音色に関わるF字孔がどのような変遷を伴って発達し、その形状がどのように音色に関わっているのかを書きました。今回はそのF字孔の機能性に焦点を当ててみたいと思います。

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ヴァイオリン / F字孔が与える音への影響

ヴァイオリンのF字孔は洗練されたデザインでボディのアウトラインと合わさることで華麗さを感じさせられます。ではこのヴァイオリンのF字孔はどのような役割を果たしているのでしょうか。

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マリー・アントワネットとヴィオッティ、そしてストラディヴァリ

マリー・アントワネット展
六本木ヒルズのマリー・アントワネット展へ伺ってきました。関係者の肖像画の数々から始まり、暮らしにまつわる品々や芸術的な調度品、そして革命期の生活へという生涯を辿る展示でとても魅力的なものでした。
つまり、歴史の流れの中を実感できる展示でもあったのでそれに伴う悲しみも添えられるものでもあったり。

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ダリ展

新国立美術館ではダリの展示が行われています。とても独特な世界観の作品が豊富に集められており、見応え十分なものでした。それだけ来場者の数も多くあまりじっくりと堪能することができなかったのは残念でしたが、それでも十分なほどの内容です。

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ストラディヴァリ1715″Titan”/ヴァイオリン・ネック材の準備

今回のヴァイオリンに用いるネック用のメイプル材ですが、大きさがギリギリの材なので補助材を取り付けて加工出来るように準備しなければなりません。

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ストラディヴァリ1715″Titan”/今日は18グラム分の削り落としを

こんにちは。雨が続いたり、寒さが厳しくなったりと本格的な冬を感じます。こちらより北の地域は雪があるところも。

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改善

大型連休では中に打ち合わせなどもあり、これといって出かける予定がなかったことを機に読めていなかった書籍を読むという読書づくしで終わりました。。

20年前は考えにくかったのですが、今では製本されたものより電子書籍や雑誌、PDFがとても便利になっています。
やはり画面を見つめていると目頭の疲れを感じますし、しおり機能を使っても違和感を感じてしまいます。

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ストラディヴァリ1715″Titan”/ブロック作成と横板の準備

初夏を感じる季節になってきました!少し冷たさを感じる風にあたりながら陽の光を浴びることがとても気持ち良いですね。

こちらでは新しい楽器の準備が進められています。

ヴァイオリンを製作する一番最初の作業は型紙と型づくりです。その後、作った型にブロック(柱)を取り付けて横板を曲げて取り付けてゆくわけです。

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厚さ

先日、私の楽器を演奏してくださった際にご質問をいただきました。

「薄く削っているのですか?」というものでしたがこの時はとっさに余りにも多くの事が頭の中を駆け巡り、簡潔に答えなければ!と思ったところ「どちらかというと薄い方向だと思います」と答えていました。が、実は厚みについては、しばしば思いを巡らしています。

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グァルネリ・デル・ジェス1741/グレイジング

下地の準備とベースになる色合いが決まったので、グレイジン(着色)で色ニスを重ねて行きます。

透明色の色ニスを重ねてゆくことで、徐々に色の深みが出てくるのでニス塗りの一番面白い行程だと感じています。光の種類(自然光や白熱灯、蛍光灯など)で色の見え方が変わりますので、どの程度に色を付けてゆくかは悩みどころですが、確認作業も面白いものです。

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グァルネリ・デル・ジェス1741/ひと段落

ニスの過程では段落があり、その都度で進めるべき方向性を再確認しています。

表板であるスプルース材は裏板その他のメイプル材よりステインの着色の影響を受けやすいので、色合いが濃くなりがちです。今はその差を埋め終わった段階で、これから本格的な色付けへと進めて行きます。

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グァルネリ・デル・ジェス1741/ニス、急がば回れ

楽器と同じくらい、若しくはそれ以上に語られる機会の多いニス。もちろん奥が深いです。

ニスを作る事から始まり、塗り方やその塗り重ね方、そして仕上げまで続く訳です。これには木工と違い、じっと耐える忍耐力が必要となります。待つことです。

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グァルネリ・デル・ジェス1741/ホワイトにて完成

あけましておめでとうございます。

2016年が始まりました。2015年末から目の調子が悪く、ふさがった状態だったので2015年中に仕上げるつもりでいましたが、若干ずれ込んでしまいました。

気持ちが焦る時は離れた方が良いと自分に言い聞かせながら我慢していましたので、目が完治してからは随分と没頭したものです。ネックの太さ、厚みなどに悩みつつもひと段落です。

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グァルネリ・デル・ジェス1741/板から箱へ

これまでの作業の成果が目に見える行程なので、結構好きです。

また同時に、これまでの作業はパーツを作ることだったということを改めて考える場面です。

どんなものでも小さなものが集まって1つのものに成り立っていることが常ですが、小さなものが相互に関係しているということも考えさせられます。

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