トーンウッドの比重

ヴァイオリンに用いられるスプルースとメイプルという木材はヴァイオリンにとって音響的に理想的な材木です。「木材の比重とヴァイオリンに用いられる”トーンウッド”」についてご説明を。ステューデント/アンサンブル/オーケスタラ/ソリストなどのカテゴライズにも関係します。
ご興味があれば幸いです。

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ジョバンニ・パオロ・マッジーニ

ストラディヴァリのロング・パターンのヨアヒム1698の裏板(メイプル)をチューニングしていると、木質の関係上、柔軟性や音程がなかなか狙い通りに一致せず、とうとう破棄せざるを得なくなりました。無念であります。。

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ストラディヴァリ1698″Joachim”/解説

マッジーニのモデルで調べ物をしていたところ、ちょうど良いタイミングで現在製作中のストラディヴァリ/ヨアヒム”1698″の解説を読む機会がありました。

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ストラディヴァリの軌跡

ヴァイオリンの魅力は音色、フォルム、構造などの色々な要素から成り立っています。それらが重なり合い、縺れ合うことで個性が輝くのでしょう。
現在まで音響、物理、材質、楽器の分析など多方面から様々な考察が盛んに行われていましたし、これからも行われるでしょう。
幸いにもストラディヴァリの作品は多く存在し、好条件の元で保管されています。
ストラディヴァリの足跡ですね。

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ヴァイオリンの素材はどのように準備されるのか

ヴァイオリンの素材はスプルースとメイプルですが、これらが素材の状態はどのようなものか、またその準備の様子を見ていただこうと思いました。

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インナー・ビューティー(ヴァイオリンの内型)

新年あけましておめでとうございます!
天候も良く、清々しい年明けですね。どのようにお過ごしでしょうか。

皆さまにおかれましても素敵なお正月をお迎えできていますように。

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ストラディヴァリ1715″Titan”/ネックとスクロール、その古来の切出し方法

今回のストラディヴァリのモデル、タイタンのボディは残すところヴァイオリンの表板を閉じるというタイミングに来ております。ここで閉じても良いのですが、もう少し時間をかけて微調整を施したいと思っているのでネックとスクロールに作業を移しました。

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ストラディヴァリ1715 “Titan” バスバー

表板の裏側のG線側の真下に位置する棒状のパーツ、バスバーを接着し、整形しました。
バスバーはイタリア語で”Catena”、英語で”Bass Bar”、日本語では”力木”とされています。
イタリア語では「チェーン」の意味で英語では「低音側の枕木」日本語では支えるという意味合いがあるような印象です。

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ヴァイオリン / F字孔のファンクション

前回は音色に関わるF字孔がどのような変遷を伴って発達し、その形状がどのように音色に関わっているのかを書きました。今回はそのF字孔の機能性に焦点を当ててみたいと思います。

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ヴァイオリン / F字孔が与える音への影響

ヴァイオリンのF字孔は洗練されたデザインでボディのアウトラインと合わさることで華麗さを感じさせられます。ではこのヴァイオリンのF字孔はどのような役割を果たしているのでしょうか。

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ヴァイオリンの駒の傾き

ヴァイオリンのチューニングを幾度も繰り返していると駒の傾きが気になる場合があるかと思います。
特に弦を新しく張り替えた場合は弦が落ち着くまでの間、弦が伸びるので弦を巻き上げる必要が頻繁となります。
駒の傾きはチューニングによって弦が巻き上げられ圧力の掛かっている駒も指板側へと引っ張られるからですが、駒を適正な状態に収める簡単な方法を記します。
駒が歪みがちになるのはE線側が多いので事前に色々な方向から確かめて状態を把握してください。

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ヴァイオリン/テールピースの調整について

ヴァイオリンのフィッティングの一つにテールピースがあります。形状(フレンチ・タイプやヒル・タイプなど)も様々ですし、素材も様々です。

弦を留めているパーツなので弦長に関連することで音響に少なからず影響を与えています。テールピースは弦長に影響を与えますし、テールガット(テールピースをボディに止めている紐)はスプリングのような働きをし、様々な形で共鳴しています。
そしてこの共鳴はボディとの組み合わせによってボディの振動と相互作用し共鳴します。

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厚さ

先日、私の楽器を演奏してくださった際にご質問をいただきました。

「薄く削っているのですか?」というものでしたがこの時はとっさに余りにも多くの事が頭の中を駆け巡り、簡潔に答えなければ!と思ったところ「どちらかというと薄い方向だと思います」と答えていました。が、実は厚みについては、しばしば思いを巡らしています。

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