下地の準備とベースになる色合いが決まったので、グレイジン(着色)で色ニスを重ねて行きます。
透明色の色ニスを重ねてゆくことで、徐々に色の深みが出てくるのでニス塗りの一番面白い行程だと感じています。光の種類(自然光や白熱灯、蛍光灯など)で色の見え方が変わりますので、どの程度に色を付けてゆくかは悩みどころですが、確認作業も面白いものです。
下地の準備とベースになる色合いが決まったので、グレイジン(着色)で色ニスを重ねて行きます。
透明色の色ニスを重ねてゆくことで、徐々に色の深みが出てくるのでニス塗りの一番面白い行程だと感じています。光の種類(自然光や白熱灯、蛍光灯など)で色の見え方が変わりますので、どの程度に色を付けてゆくかは悩みどころですが、確認作業も面白いものです。
ニスの過程では段落があり、その都度で進めるべき方向性を再確認しています。
表板であるスプルース材は裏板その他のメイプル材よりステインの着色の影響を受けやすいので、色合いが濃くなりがちです。今はその差を埋め終わった段階で、これから本格的な色付けへと進めて行きます。
楽器と同じくらい、若しくはそれ以上に語られる機会の多いニス。もちろん奥が深いです。
ニスを作る事から始まり、塗り方やその塗り重ね方、そして仕上げまで続く訳です。これには木工と違い、じっと耐える忍耐力が必要となります。待つことです。
あけましておめでとうございます。
2016年が始まりました。2015年末から目の調子が悪く、ふさがった状態だったので2015年中に仕上げるつもりでいましたが、若干ずれ込んでしまいました。
気持ちが焦る時は離れた方が良いと自分に言い聞かせながら我慢していましたので、目が完治してからは随分と没頭したものです。ネックの太さ、厚みなどに悩みつつもひと段落です。
これまでの作業の成果が目に見える行程なので、結構好きです。
また同時に、これまでの作業はパーツを作ることだったということを改めて考える場面です。
どんなものでも小さなものが集まって1つのものに成り立っていることが常ですが、小さなものが相互に関係しているということも考えさせられます。
スクロールも後は角を落として微調整するだけという状態になったので、だいたい仕上げた指板を簡単に接着してネックの整形に入ります。
スクロールの荒けずりは終わっていたので渦巻き部分の面の彫り込みと縦の彫り込みを行いました。
渦巻きの面を彫りこむとこれまで平面的だったスロープがくっきりとして精悍になってきます。傾斜をつけすぎず、控えめすぎずに施すことが今は好みです。グッと掘り込んでいるのももちろんカッコ良いですし、あっさりしているのも上品です。ポイントはバランスよく仕上げるということですが、それこそが難しいですね。
カレンダーをめくりながら、もう12月になっているのかと、時の流れの速さに驚いています。歳を重ねるごとに1年の過ぎゆくスピードが増している気がしますが、情報化により、時の流れを早く感じるという研究結果もあるようです。
ネックに使用するメイプル材を寸法通りに直角の出ている角材に整えました。ネックに使われるメイプルもボディと同様に木取りの様式が決まっているので、これに則して木材から角材に整えてようやくネックに使えるわけです。それなりに手が掛かっているので、これより先に起こる失敗は努力の水の泡となるので、気を引き締めます。
表板の厚みも95%ほど確定しているので、裏板の厚みに取り掛かりました。今回の裏板はボスニアのメイプル材で荒々しい杢の板です。一枚板で年輪の幅は若干広めですが、それを補強するかのような杢なので板の強度と軽量さは驚きです。
モデル: グァルネリ1741の表板が仕上がりまで95%ほどの位置につきました。
アーチの高さは15.5mmで高くはありませんが低くもない、ほどほどの高さです。板の厚みは、最も厚い部分: 中央部の3.0mmで最も薄い部分: アッパー・バウツのE線側の淵で1.9mmです。