マリー・アントワネット展
六本木ヒルズのマリー・アントワネット展へ伺ってきました。関係者の肖像画の数々から始まり、暮らしにまつわる品々や芸術的な調度品、そして革命期の生活へという生涯を辿る展示でとても魅力的なものでした。
つまり、歴史の流れの中を実感できる展示でもあったのでそれに伴う悲しみも添えられるものでもあったり。
華やかさとその対極。これが崇敬される理由の1つなのでしょうね。
華やかさを伴う美術品や調度品からは、モノづくりの立場としてはエネルギーを与えられ、悲劇の最中での希望や切実さは”真摯にある”とはどういうことかを教えられました。
絵画や磁器人形その他展示物は撮影出来ないのですが、再現された寝室は撮影が可能でした。マリー・アントワネットの寝室にお呼ばれされた気分でご覧ください(笑)
マリー・アントワネットとヴィオッティ
マリー・アントワネットが生きた時代は1755年11月2日から1793年10月16日。イタリアのヴァイオリン奏者であり作曲家であるジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティは1755年5月12日から1824年3月3日までの時代。生まれ年は同じで同年代ですね。ヴィオッティの協奏曲は同時代の作曲家ベートーベンにも影響を与えていると言われています。

イタリア・トリノの宮廷に仕える傍、ソリストとして巡回公演も行い、フランスのパリでも名声を得ることとなったのでした。そこから暫くの間、マリー・アントワネットに仕えていたのでした。
プライベートな部屋で友人を招いてハープの演奏を楽しんだり作曲していたマリー・アントワネット。音楽への情熱も感じ取ることが出来ます。個人的な付き合いのヴァイオリニストであるヴィオッティの演奏を聴いたり作曲を話題にと大変盛り上がったことでしょう。
ヴィオッティとストラディヴァリ
ヴィオッティはストラディヴァリを愛器としていたことで知られています。ヴィオッティ以前はイタリア地方で名声を得ていたストラディヴァリ。1782年にヴィオッティがパリでソリストとして名声を獲得したと同時に、愛器であるストラディヴァリの楽器も注目されることで、ここからストラディヴァリがフランスでも名声を得ることとなったのでした。つまりマリー・アントワネットもストラディヴァリの音色をとても身近に耳にしていたのですね。
ストラディヴァリの残した楽器にヴィオッティが冠されている楽器は一つだけではありません。それらを見てみましょう。
(画像は木目や杢が解りやすいようにモノクロにしています)
Antonio Stradivari – ‘Viotti’
Antonio Stradivari – ‘Viotti – ex-Bruce’
Antonio Stradivari – ‘Viotti – Mary Hail’
記念品としてマリー・アントワネットのイニシャル入りフェイスタオルとヴェルサイユ宮殿のバラが用いられたローズティーを手にして会場を後にしました。