ストラディヴァリ1698″Joachim”/様式美と形式美

ネック/スクロールを切り出していました。

ブロック材から側面側のアウトラインで切り出した直後のネック/スクロールの姿がとても好きです。

ネック/スクロールのシルエットに奥行きがあるようにずっと続き、連続するように続いているその様は、私にとっては製作過程の中で時々感じる「美」の1つと言えます。

良い佇まいです
良い佇まいです

こういう類のことを様式美というのだろうか?それとも形式美というのだろうか?とふと疑問になったので調べてみました。言葉というものは何気に使っていますが、時々違った意味で捉えてしまっていることもあるので再確認です。

ようしき‐び〔ヤウシキ‐〕【様式美】
芸術作品などの表現形式がもつ美しさ。「様式美を極めた意匠」「華麗な様式美」

けいしきび【形式美】
芸術などにおいて、表現された思想内容に対して、統一・均斉・調和など形式的側面における美。

スクロールの場合だと表現形式の「美」ではなく調和などの形式が重要に感じるので、この場合は形式美が正しいのではないでしょうか。一方、バロック楽器などのヘッドに彫刻が施されている類のものは表現形式の「美」と思えるのでその場合は様式美となりそうですね。

スクロールの渦巻きの巻き方の角度や巻き具合で印象はガラッと変わります。もっとも、美しい比率など細かいことはありますが、作家の個性が現れる部位であることには変わりません。

スクロールという形式の中において、いかに調和のとれた「美」を実現できるかということは常にチャレンジングなことでしょう。

そのようなことを頭の片隅に置きながら、先日手に入れたお助けツールとディヴァイダーで中心線を出しました。慣れの問題もあるかもしれませんが、今回の作業ではディヴァイダーこそ至高と感じるものでした。きっと使い慣れているかいないかの問題だと信じたいものです。。。

中心線やスクロールの罫書き
中心線やスクロールの罫書き

罫書きを終えると粗彫りは一気に進まります。のこぎりで余分な箇所を落としながら、バランスを確認しながら、この工程での最終的な目標に近づけてゆきます。

粗彫りを終えたところ
粗彫りを終えたところ

ちなみに、上の画像のように様々なツールが散らかって煩雑な中に無造作に置かれた「一段楽ついた加工物」という風景も好きです。もし自分が画家だったらこの躍動感を感じさせる静物画に取り組んでみたいものです(因みに私は絵心が皆無です。。。)。

躍動感のある静物画とはなんとも矛盾しているように感じますが当の本人からすれば、この加工物が出来上がる過程でその都度必要なツールを引っ張り出し、結果的にこのような煩雑さが出来てしまったという意味で躍動感を感じています。

粗彫りまでは案外気楽に進めることが出来るのですが、ここから「調和」を求めて仕上げてゆくことは容易ではありません。

じっくりと焦らず「形式美」を頭の片隅に置きながら進めてゆきたいものですね♬

 

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