今日は日差しが暖かく気持ちよいお天気でしたね。
数日間は寒い日が続いていたので気分転換になりました。
今日の工房ではヴァイオリンの裏板をリブ(組み立てた横板)へ接着を行なっておりました。
1つのパーツを作っては組み立てての繰り返しなので、楽器というのはパーツを作っている時間がかなりのウエイトを占めているのだなと改めて実感させられます。
投稿者: Seizzi
ストラディヴァリ1715 “Titan” バスバー
表板の裏側のG線側の真下に位置する棒状のパーツ、バスバーを接着し、整形しました。
バスバーはイタリア語で”Catena”、英語で”Bass Bar”、日本語では”力木”とされています。
イタリア語では「チェーン」の意味で英語では「低音側の枕木」日本語では支えるという意味合いがあるような印象です。
ヴァイオリン / F字孔のファンクション
前回は音色に関わるF字孔がどのような変遷を伴って発達し、その形状がどのように音色に関わっているのかを書きました。今回はそのF字孔の機能性に焦点を当ててみたいと思います。
ヴァイオリン / F字孔が与える音への影響
ヴァイオリンのF字孔は洗練されたデザインでボディのアウトラインと合わさることで華麗さを感じさせられます。ではこのヴァイオリンのF字孔はどのような役割を果たしているのでしょうか。
ヴァイオリンの駒の傾き
ヴァイオリンのチューニングを幾度も繰り返していると駒の傾きが気になる場合があるかと思います。
特に弦を新しく張り替えた場合は弦が落ち着くまでの間、弦が伸びるので弦を巻き上げる必要が頻繁となります。
駒の傾きはチューニングによって弦が巻き上げられ圧力の掛かっている駒も指板側へと引っ張られるからですが、駒を適正な状態に収める簡単な方法を記します。
駒が歪みがちになるのはE線側が多いので事前に色々な方向から確かめて状態を把握してください。
ヴァイオリン/テールピースの調整について
ヴァイオリンのフィッティングの一つにテールピースがあります。形状(フレンチ・タイプやヒル・タイプなど)も様々ですし、素材も様々です。
弦を留めているパーツなので弦長に関連することで音響に少なからず影響を与えています。テールピースは弦長に影響を与えますし、テールガット(テールピースをボディに止めている紐)はスプリングのような働きをし、様々な形で共鳴しています。
そしてこの共鳴はボディとの組み合わせによってボディの振動と相互作用し共鳴します。
トリトンとセイレーン
音楽に静と動が共存しているように、ヴァイオリンに限らず楽器には静と動が共存しています。構造的なことであったり音色のことであったり。
J.S. Bach – Toccata and Fugue in D Minor BWV 565 – Amy Turk, Harp
カリグラフィー作品展
美しい文字を追求し、カリグラファー(西洋書家)である西村弥生先生の工房、ボッテガヤヨ(BOTTEGA YAYO)さんの工房のカリグラフィー作品展示会に伺いました。
マリー・アントワネットとヴィオッティ、そしてストラディヴァリ
マリー・アントワネット展
六本木ヒルズのマリー・アントワネット展へ伺ってきました。関係者の肖像画の数々から始まり、暮らしにまつわる品々や芸術的な調度品、そして革命期の生活へという生涯を辿る展示でとても魅力的なものでした。
つまり、歴史の流れの中を実感できる展示でもあったのでそれに伴う悲しみも添えられるものでもあったり。
ダリ展
新国立美術館ではダリの展示が行われています。とても独特な世界観の作品が豊富に集められており、見応え十分なものでした。それだけ来場者の数も多くあまりじっくりと堪能することができなかったのは残念でしたが、それでも十分なほどの内容です。
David Garret
昨年観た映画の一つに『パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト』というものがあったことを回想していました。
ストラディヴァリ1715″Titan”/裏板の荒削り
今日は午前中に昨日手をかけていたネック材の準備(直方体に整形)の続きをしてから、裏板の内側の荒削りをしていました。
ヴィブラートについての10の引用句
ヴィブラートはヴァイオリンの音色をとても味わい深い奥行きと豊かさを感じさせてくれますね。ですがとても難しい一面も。。。
イギリスの弦楽雑誌 “The Strad” からヴィブラートについて過去の記事を集成したものがありましたのでご紹介を。
ストラディヴァリ1715″Titan”/ヴァイオリン・ネック材の準備
今回のヴァイオリンに用いるネック用のメイプル材ですが、大きさがギリギリの材なので補助材を取り付けて加工出来るように準備しなければなりません。
弓毛と湿度 〜毛替え〜
雪景色を堪能しながら、ヴァイオリンのネック材の準備(主に鉋掛け、体が温まります)をしながら、湿度について考えていました。
雪景色とシベリウス・ヴァイオリン協奏曲
今朝の目覚めは雪景色でした。東京で11月に雪が54年ぶりのことだそうですね。
とにかく寒いですが、大きめな綿雪が落ちてくるのを見ていると楽しくもあります。
トーン・プロダクション~ヴァイオリンの音色~
ヴァイオリンの板を削り出しているとき、時々は気分転換にと楽器を手に取り、弾きだしたりもします。
私は演奏はめっきりなのですが、名だたる演奏家のCDを聞いてはこんな音色を出せる演奏をしたいなとは常々考えてりしているわけです。
コンサートの思い出
2010年の5月末にサントリー・ホールで味わったヒラリー・ハ-ン女史の演奏の余韻に再び浸っています。サロネン氏も素晴らしかったことは言うまでもありません。
ストラディヴァリ1715″Titan”/今日は18グラム分の削り落としを
こんにちは。雨が続いたり、寒さが厳しくなったりと本格的な冬を感じます。こちらより北の地域は雪があるところも。
Taylor Davis / He’s a Pirate
アメリカはイリノイ出身のテイラー・デイヴィスさんのアレンジでパイレーツ・オブ・カリビアンから。
ストラディヴァリ1715″Titan”/表板の加工
表板のアーチを削り始めます。
製作楽器の音色 ~その2~
乾燥の季節ですね
久しぶりの投稿になります。夏も終わりを迎え、秋の味覚が楽しめる季節となりました。と同時にこれまでとは湿度の変化も迎えることとなります。夏の70%以上から今は50%台となり、楽器には大きな変化を与えます。
ストラディヴァリ1715″Titan”/横板
モールド(内型)にブロックを接着し、ブロックに写したアウトラインに沿って整形すれば、横板を取り付けられる段階です。
改善
大型連休では中に打ち合わせなどもあり、これといって出かける予定がなかったことを機に読めていなかった書籍を読むという読書づくしで終わりました。。
20年前は考えにくかったのですが、今では製本されたものより電子書籍や雑誌、PDFがとても便利になっています。
やはり画面を見つめていると目頭の疲れを感じますし、しおり機能を使っても違和感を感じてしまいます。
ストラディヴァリ1715″Titan”/板材の準備
ストラディヴァリ1715″Titan”/ブロック作成と横板の準備
初夏を感じる季節になってきました!少し冷たさを感じる風にあたりながら陽の光を浴びることがとても気持ち良いですね。
こちらでは新しい楽器の準備が進められています。
ヴァイオリンを製作する一番最初の作業は型紙と型づくりです。その後、作った型にブロック(柱)を取り付けて横板を曲げて取り付けてゆくわけです。
厚さ
先日、私の楽器を演奏してくださった際にご質問をいただきました。
「薄く削っているのですか?」というものでしたがこの時はとっさに余りにも多くの事が頭の中を駆け巡り、簡潔に答えなければ!と思ったところ「どちらかというと薄い方向だと思います」と答えていました。が、実は厚みについては、しばしば思いを巡らしています。
グァルネリ・デル・ジェス1741/グレイジング
下地の準備とベースになる色合いが決まったので、グレイジン(着色)で色ニスを重ねて行きます。
透明色の色ニスを重ねてゆくことで、徐々に色の深みが出てくるのでニス塗りの一番面白い行程だと感じています。光の種類(自然光や白熱灯、蛍光灯など)で色の見え方が変わりますので、どの程度に色を付けてゆくかは悩みどころですが、確認作業も面白いものです。
グァルネリ・デル・ジェス1741/ひと段落
ニスの過程では段落があり、その都度で進めるべき方向性を再確認しています。
表板であるスプルース材は裏板その他のメイプル材よりステインの着色の影響を受けやすいので、色合いが濃くなりがちです。今はその差を埋め終わった段階で、これから本格的な色付けへと進めて行きます。
グァルネリ・デル・ジェス1741/ニス、急がば回れ
楽器と同じくらい、若しくはそれ以上に語られる機会の多いニス。もちろん奥が深いです。
ニスを作る事から始まり、塗り方やその塗り重ね方、そして仕上げまで続く訳です。これには木工と違い、じっと耐える忍耐力が必要となります。待つことです。
グァルネリ・デル・ジェス1741/ホワイトにて完成
あけましておめでとうございます。
2016年が始まりました。2015年末から目の調子が悪く、ふさがった状態だったので2015年中に仕上げるつもりでいましたが、若干ずれ込んでしまいました。
気持ちが焦る時は離れた方が良いと自分に言い聞かせながら我慢していましたので、目が完治してからは随分と没頭したものです。ネックの太さ、厚みなどに悩みつつもひと段落です。
グァルネリ・デル・ジェス1741/板から箱へ
これまでの作業の成果が目に見える行程なので、結構好きです。
また同時に、これまでの作業はパーツを作ることだったということを改めて考える場面です。
どんなものでも小さなものが集まって1つのものに成り立っていることが常ですが、小さなものが相互に関係しているということも考えさせられます。
グァルネリ・デル・ジェス1741/ネックの準備
スクロールも後は角を落として微調整するだけという状態になったので、だいたい仕上げた指板を簡単に接着してネックの整形に入ります。
グァルネリ・デル・ジェス1741/スクロール – 2
スクロールの荒けずりは終わっていたので渦巻き部分の面の彫り込みと縦の彫り込みを行いました。
渦巻きの面を彫りこむとこれまで平面的だったスロープがくっきりとして精悍になってきます。傾斜をつけすぎず、控えめすぎずに施すことが今は好みです。グッと掘り込んでいるのももちろんカッコ良いですし、あっさりしているのも上品です。ポイントはバランスよく仕上げるということですが、それこそが難しいですね。
製作楽器の音色 ~その1~
アーチング・テンプレート
ツールを作るのは木材の端材を使いますが、一時的なものは一般的な建材、ずっと使うものはヴァイオリンを作った時にできるメイプルの端材を使っています。
作りたいツールが複数で構成されている場合はまとまった端材が必要なのですが、ちょっと用を足しに出かけた先でブビンガの板材を安価で見つけたので買い占めてきました!
そして時には革工房に…
とは言っても、布を縫い合わせる程度のことです。
革製品を作るということに憧れがあり、バッグを筆頭に、いろいろなものを作ってみたいとは考えていますが、なかなかできません。縫い合わせるだけで精一杯なので、皮を漉いて重ねたり、立体に加工したりというのは考えると気が遠くなってしまいます。
グァルネリ・デル・ジェス1741/スクロール – 1
カレンダーをめくりながら、もう12月になっているのかと、時の流れの速さに驚いています。歳を重ねるごとに1年の過ぎゆくスピードが増している気がしますが、情報化により、時の流れを早く感じるという研究結果もあるようです。
スクレイパー作り
グァルネリ・デル・ジェス1741/ネックの切出し
ネックに使用するメイプル材を寸法通りに直角の出ている角材に整えました。ネックに使われるメイプルもボディと同様に木取りの様式が決まっているので、これに則して木材から角材に整えてようやくネックに使えるわけです。それなりに手が掛かっているので、これより先に起こる失敗は努力の水の泡となるので、気を引き締めます。
必要不可欠なこと
昨日の大掃除から始まり、今日も掃除から1日がスタートです。
重点的に刃物研ぎを行いました。
普段から切れ味が悪くなるとその都度研いでいますが、真剣に取り組むとそれだけで1日が終わってしまうので程々に抑えています。
年末の大掃除に向けて
11月の1/3が過ぎつつあります。今年の思いは果たせそうでしょうか?
今日は朝一番で製作中のネックのペグ位置を再確認してから来年に取り組もうとしているモデルの型作りを行う予定でした。
グァルネリ・デル・ジェス1741/裏板の裏側を削り込む
表板の厚みも95%ほど確定しているので、裏板の厚みに取り掛かりました。今回の裏板はボスニアのメイプル材で荒々しい杢の板です。一枚板で年輪の幅は若干広めですが、それを補強するかのような杢なので板の強度と軽量さは驚きです。
グァルネリ・デル・ジェス1741/表板のアーチ
モデル: グァルネリ1741の表板が仕上がりまで95%ほどの位置につきました。
アーチの高さは15.5mmで高くはありませんが低くもない、ほどほどの高さです。板の厚みは、最も厚い部分: 中央部の3.0mmで最も薄い部分: アッパー・バウツのE線側の淵で1.9mmです。




